♪ アルバム研究その2 ♪



☆MELIDIAN− MELON

<どんなアルバムか>

 デビュー以来在籍していた東芝EMIからポニーキャニオンへの移籍第一弾。タイトルの意味はいまだに知りません。私に とって、あまり頻繁に聞く事はないけどなんとなく気になるというアルバムです。かなり難解なイメージも持ってます。発売時には当然LPで購入したのです が、その後CDで買い直した際に、すごく音の良いアルバムだと気づきました。

 CM曲でヒットした「21世紀のシンデレラ」が収録され、杏里への提供曲「オリビアを聞きながら」も収録されているとい う話題性は充分だったのですが、静かな(暗い)曲も目立つという事で、ファンも多少戸惑ったのかもしれません。一部の収録曲のおかげで、当時の音楽雑誌で はイメージチェンジか?と大騒ぎされていたようですが。なお、メリディアンメロンというタイトルの意味はいまだに知りません。

主な参加ミュージシャンは以下の通り。

Guiter       : 鈴木茂、吉川忠英
Bass :小川ひろし、岡沢しげる、
Keyboards : 佐藤準、尾崎亜美
Drums : 林立夫
Percussion: ペッカー、斉藤ノブ
Sax,Flute : Jake H.Conception
Trombone: 新井英治
Strings: 多グループ

また、亜美さんがプレイしている楽器は以下の通り。
Ac.Piano,Hammond Organ,E.Piano,Prophet 5,Vocoder,Melotron,Cembalo,Polymoog,Oberheim 8 voice,Marimba,Glocken

 今回も、各曲ごとに参加ミュージシャンのクレジットあり。

<ジャケット・歌詞カード>

 妙な格好をした子供と亜美さんの姿。このジャケットの写真の意味がいまだにわかりません。何か深い意味があるのでしょう か? 

<各曲解説>

「ジュピター」

 不思議な曲です。何か気がかりなサウンドエフェクトに続いて、エレピの悲しげなフレーズ。そして、亜美さんの囁きかける ような、なおかつ切ない思いを表現したボーカル。開始して数秒で不思議な世界に引き込まれます。間奏の歪んだギターや、シーケンサーのフレーズさえ、すべ てが物悲しくてわたしゃどうも苦手。が、割とファンの多い曲でもあります。一種、独特の世界ですからベストアルバムに収録される事はないでしょう。(っ て、なんかに入ってたりして…)

「21世紀のシンデレラ」

 おなじみのCMソング。イントロのシンセといい、三連でビュンビュン言ってるシーケンサーのフレーズといい、当時はこう いうサウンドが全盛だったと思い起こされます。途中から急に曲調が変わるのが面白いですが、CMでは後半が使われてました。そのイメージで聞くと、前半は アレっと思っちゃいます。イントロとかエンディングなんかはよく聞くと、ボコーダーで歌ってますね。21世紀になった今では、ボコーダーは見かけません が。

「Dreaming Flight」

 ボコーダーの声で、「おはよう」「起きなさい!」と叩き起こされる曲なので、一時期自分のお目覚め用に使ってました。こ ういう曲と次の曲のギャップなんかが、このアルバムの特徴でしょうか?

「ジプシーローズ(処女)」

 これが問題作。雑誌の新譜紹介では「イメージチェンジか?」と騒がれた曲です。内容は聞いてもらえばわかりますが、タイ トルからしてショッキングなものです。当時の紹介記事では、そういう事ばっかり騒がれてた気がしますが、まぁマイピュアレディを作って歌ってた人がこうい う曲を歌うと、驚かれるのは無理ないのかもしれません。

 ところで、この曲の間奏ですが、「悪魔の手ざわり」というTV番組のテーマ曲に感じが似てます。原題は「The Evil Touch」と言って、ようするにミステリーゾーン系のアメリカの番組です。そのストーリーテラーが最後に帰ろうとしてから、くるっと振り向いて「そう言 えば…あなたもくれぐれもご注意を」てな事を言うのですが、その時に流れるのが、こんな感じの曲です。なので、私はこの曲を聞いてると、ついついその気味 の悪い番組を思い出してしまいます。ただし、その番組自体はたいして面白かったわけではなく、田舎に住んでて民放も2局しかなかったし、他に見るものがな くて見てたような記憶が…。

「冬枯れ…」

 さて、世界はますます暗くなります。恋人が別の女のところへ行ってしまう曲なので、その点では「テンダーレイン」と同じ なのですが、こっちは暗くて物悲しいです。しかし、「お前には冬が似合う」と口癖のようにいわれたらショックでしょうね。「なんで?」と聞いたら、「真夏 日にお前が隣にいると暑苦しくてたまらんから。ちょっとは痩せろよ〜」なんて言われたらもっとショックでしょうが。

「キ・ラ・メ・キFeeling」

 さて、ようやく明るい世界に戻ってきまして、「いつもの亜美ワールド」という感じの曲です。アナログLPでは、B面1曲 目ですから、そういう意味も含めてでしょう。

「You …魂のままに」

 これまた不思議な曲ですが、かっこいいです。このアルバムの発売前に、FM番組でスタジオライブがあり、その時はこれを 生演奏でなく、レコードからかけてたのですが、その時にはまだタイトル未定でした。一応「Dancing to the music of your inner soul and loveと呼んでるけど、長いのでレコードではちゃんとタイトルが決まると思います」との事でした。間奏のストリングスの感じとかはかっこいいですよね。 どっから考えついたのでしょうか?

「around」

 「な、なんや? いきなりどないしたんや?」と、レコードプレイヤーを揺さぶった人も多いことでしょう。私もそんな一人 です。こういう感じの曲は他にないですよね? これもベストアルバムに収録されることはないでしょう。

「CINEMATIC DOLL」

 シングル「21世紀のシンデレラ」のB面。こちらをA面にしてもヒットしそうな感じの、非常にポップな曲です。これも、 「You…魂のままに」と同様、ストリングスがキーポイントとなってまして、粒立ちのハッキリした非常に良い音をしてます。

「オリビアを聴きながら」

 これについては、もう説明の必要はないでしょう。杏里への提供曲のセルフカバーです。のちに、「ラピズラズリ」にも収録 されましたが、バージョンが違います。あちらはもっとさらっとしてますが、こちらはドラマチックな仕上がりで、サビの繰り返しがある分だけ構成が違いま す。私はこちらの方が断然好きでして、この間奏は「22世紀に伝えたい間奏」の1曲に入れたいです。(って、どんなんや?) ちなみに、意外なのはこの曲 のピアノ演奏が、亜美さんご本人ではなく佐藤準氏であること。ステージでこれを弾き語りする姿を何度となく見てますから、すごく意外に感じます。ここでは ボーカルに徹したという事でしょうか?

 なお、歌詞の内容は「女が男をふる曲」の代表でありまして、きれいなメロディーにのせてるのであまり意識しませんが、平 たく言うと「うっとうしいから、もう夜中に電話なんかしてくんな! 話なんかなんもないんやから!」という内容です。面と向かって言われたら、私なら ショックで出家してしまいます…。

 なにはともあれ、いい曲も多いですし、その後のベストアルバムにも収録されてない曲が多いですから、まだ持ってない人は 是非入手しましょう。

 

 CDは長年入手困難でしたが2013年10月に再発となりました。

<2001年10月記+2013年11月追記>



☆HOT BABY

<どんなアルバムか>

 話題作というか異色作です。3rdアルバム「ストップモーション」以来続けていた、亜美さん自身によるアレンジを封印 し、当時売り出し中のアレンジャー兼キーボード奏者のデビッド・フォスターが全曲のアレンジを担当。なおかつ、一流ミュージシャンを揃えての海外録音(ロ スアンジェルス)ということで、当時は大変話題を呼びました。(多分) 

 参加ミュージシャンは、Dr:Jeff Porcaro、Bass:Neil Stubenhous、Gt:Steve Lukathur、Jay Graden、Sax:Tom Scottなどなど。なお、亜美さん側の希望としては、デビッド・フォスターがアレンジを担当するという事のみだったらしく、メンバーはデビッド・フォス ターが、自分で当時気に入ってたミュージシャンを選んだ様子。「これでどうだろう?」なんて手紙が来て、びっくりしたというか「これは負けられへん」と 思ったそうです。ちなみに、デビッド・フォスターは当時ジェイグレイドンと組んで、エアプレイというユニットを結成。「ロマンティック」というアルバム は、AORの名作として今も語り継がれています。私も持ってますが…、ん〜印象が無い(^_^;

 全般的に、アレンジはバンドサウンドで、ストリングスも少なめ。その影響もあってか、後年ライヴの定番となった曲が数曲 あります。なお、この企画を進めるにあたり、亜美さんはデビッド・フォスターにデモテープを送ってOKをもらったとの事。そのデモテープもかなり気合が 入っていたらしく、アメリカでは一人でそこまでやる女性がいないようで、レコーディング開始時には、「本当に一人でやったのか?」とスタッフに取り囲まれ て質問攻めにされたとか。(当時の“アドリブ”の記事による)

 音は完全に海外録音の乾いた音がしてます。このへんも、賛否両論分かれるところでしょう。「良いか、悪いか?」という と、間違い無く良い音なのですが。特にドラムなんか…。惜しい人を亡くしたものです。ただ、「テシパシ」という感じではなく、結構「ドカドカ」した音で す。 完全にロックの音ですね。なお、亜美さんはボーカルとコーラス以外では演奏に参加してません。これも珍しいです。

<ジャ ケット・歌詞カード>

 ハッキリ言わせてもらえれば、個人的に最も嫌いなジャケットです。見ようによっては、「横型のおしゃれな封筒をイメージ した」という事になるのでしょうが、デザイン、色使いともにいただけない上に、歌詞カード兼用の中袋もあって、レコードが出しにくく、なおかつしまいにく いという実用性に欠けるもの。おまけに、ラックに立てておくと、横側にアルバム名が書いてないので探しにくいです。ちなみに、中袋の写真では、なぜか亜美 さんがバニーちゃんになってます。これも、結構唐突です。
 CD盤に関しては、ジャケットの表裏はアナログと同じ。歌詞カードの中袋の、亜美さんがバニーちゃんの写真はありません。ファンとしては、やはりアナロ グ盤を持っておきたいところです。
 
<各曲解説>

「LOVE IS EASY」

 これはシングルで発売されました。サックスのソロは、トム・スコット大将です。自らのバンドで来日公演もやったりしてま した。たしか、刑事物(ジョン&パンチ?)の主題歌を演奏してたような気もしますが…。当時の記事を見ると、最初に録音したのはこの曲だった様子。歌詞に 英語が入っていたので、みんなに英語が話せると思われたらしく、1曲目が終わっていきなり英語で話し掛けられ、困惑したとの事です。なお、シングルのこの 曲のB面は、「My Shiny Town」という曲ですが、アルバム未収録です。アルバム未収録曲に関する研究を読んでみましょう。

「体に残るワイン」

 発売当時、NHKFMのニューサウンズスペシャルにゲスト出演した際には、「最近気に入ってるバラード」として紹介して ました。たしかにワインを飲みすぎると、次の日に残っちゃって大変なんですよね。私も二日酔いがひどいもんで…っていう曲ではありません。最近のライブで 歌われたという情報もあります。

「キャッツアイ」

 この切れのよいリズムギターは、多分ジェイグレイドンでしょう。スティーブルカサーとジェイグレイドンのツインギターの ようですが、この二人がツインを決めるってのは、ロスでも珍しかったとか。曲調は、「パーフェクトゲーム」とか「モーニングフライト」とかにも通じる、お ちゃめで可愛い系です。亜美さんのアルバムの曲では、おなじみの雰囲気という感じですが、ミュージシャンが違うのでいつもとは違います。(当たり前?)

「限りない憎しみの果てに〜 花が咲いたよ〜」

 亜美さんの曲では、珍しく非常にメッセージ色の強い曲。この曲にはストリングスが入ってますが、当然ながらいつもの感じ とは違います。この曲を元に、SF近未来映画が一作出来そうな感じもあります。2曲つながってて組曲風でもありますが、よく歌詞を聞くと、その奥深いテー マがわかります。

「Angela」

 今ではすっかり ライブの定番になりました。この曲をレコードで初めて聞いた時には、後にあんな振り付けの付くお茶目な曲になるとは、想像しませんでした。ライブを見た人 で、「あのコーラスのお姉さん達と、ピョンピョン踊りながら歌う可愛い曲はなんて曲?」と思った人も多いかもしれませんが、それはおそらくこの曲です。た だし、ライブで馴染んじゃった人は、レコードで曲だけ聞くと物足りなく思うかもしれません。ちなみに、ファンの間ではお馴染みの曲ですが、このアルバムに しか収録されておりません。私が初めて見たライブ(プラスティックガーデン京都公演)では、この曲がアンコールのラストでした。思い出深い曲で、今でも大 好きです。ただし、やっぱりライブで聴いた方が好きです。

「Prism Train」

 当時の雑誌の記事を見ると、多分スタジオでやったのはこの曲が2曲 めだった様子。デビッド・フォスターが「さぁハデなロックだぜ。TOTOみたいに決めよう」と言ったとか。(当時のインタビューを読むと、録音した1曲目 は「LOVE IS EASY」「ラブイズイージー」だと思われるのですが。) この曲は、もうスティーブルカサーと、ジェフポーカロの為のようなものです。今では、ライブの 盛り上げ用に定番となってます。これを考えると、このアルバムはライブの予習用としては外せません。

「Wanderer In Love」

 「しょぼくれ ギャンブラー」というフレーズには、競馬で外してばっかりの人はドキっとするでしょうね。この曲は、メドレーの一部としてライブで一度だけ聞いた事ありま す。

「蒼 夜曲 セレナーデ」

 シングルとは別バージョンです。かなり、ハードなアレンジになってますが、賛否両論ある事でしょう。それも、かなり 「否」の部分が多い…。
 実は私はこの曲は、このアルバムのバージョンを先に聞いて、当時はシングルバージョンを聞いた事ありませんでした。なので「この曲はこういう曲なんだ」 と、なんの抵抗も無く受け入れてましたが、シングルバージョンを聞いてから、このアレンジ(アルバムバージョン)が合うのかどうかは、10年くらいして聞 きなおしてみればわかるかも?と思ってました。そして、その結果としては「やっぱりちょっと無理があるかな?」という感じ。しかし、もうちょっとテンポが 遅ければ、批判も少しは減った事でしょう。アルバムでは段々速くなる感じですから。こういうアレンジにしたのは、そもそもデビッドフォスターは、日本語が わからないから、という事では無かったかとも思いますが、それこそ大きなお世話かもしれません。で、今では一番好きなのは、ライブビデオ「Natural Agency」での弾き語りバージョンです。この曲のアレンジに関しては、広く皆さんの意見を求めたいと思います。

 CDは長らく入手困難でしたが2013年10月にボーナストラック付で再発となりました。「蒼夜曲〜セレナーデ〜」シングルヴァージョンも収録されてますので聞き比べが可能です。是非どうぞ。

<2000年11月記+2013年11月追記>
 

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☆Air Kiss

<ど んなアルバムか>

 前作に引き続き、デビッド・フォスターがアレンジを担当。ただし、今回は新たに最小限のメンバーを引き連れて日本でのレ コーディング。ミュージシャンだけではなく、エンジニアも連れてきてしまいました。当時の音楽雑誌によると、「尾崎亜美の音楽に惚れ込んだデビッド・フォ スターが、一緒にもう1枚作りたいと熱望し来日した」と伝えられています。また、後年の亜美さんのインタビューでも、「もう1度一緒にやりたいという要望 があったけれども、言葉の問題とか海外レコーディングの問題とかで自分はきつくて、『もしやりたいなら日本で』と言ったら本当に来た」という事だったの で、その話は本当でしょう。

 さすがに、前作のLAレコーディングで集めたようなビッグネームはいませんが、今回のメンバーも作品を聞く限りは強力。 しかし、ベーシストを連れてこないという感覚はわかりません。自分のシンセベースで試してみたかったのか、スケジュールの都合で無理だったのか、人件費の 問題か? 数曲ではギターのマイケルランドーがベースも兼ねていますが、ここではシンセベースがサウンドの特徴ともなっています。

 どうしても、前作「HOT BABY」と比較される事が多いでしょうが、私個人としてはこちらの方が断然好きです。人に よっては「やはり、ジェフポーカロのドラムでなきゃ!」という人もいるでしょうが、収録曲とか音質とか亜美さんのボーカルに関しては、こっちの方が好みで す。一般に、ファーストアルバムよりは、セカンドが出来がよいケースが多いですが、この場合も2回目になり共同作業が波に乗ってきたという事でしょうか?

 アナログLPのみ、スペシャルシングルの「Sweet Christmas Song」(B面はカラオケ)が附属。これはこれで非常に良い曲なので、CDに収録されていないことについては大いに不満。余談ですが、当時は岩崎良美に 「ごめんねDarling」を提供した時期であり、同時期に発売された彼女のアルバム「心のアトリエ」も、クリスマススペシャルシングル盤のおまけ付でし た。このアルバムには亜美さんの曲も3曲あり、ポニーキャニオンでは、両者のファンをそれぞれ取り込もうと考えていた様子。が、自分のレコーディングと、 岩崎良美への楽曲提供と、コーラスでの参加など、亜美さんがヘトヘトになっていた事は想像に難くありません

アルバム参加ミュージシャンは以下の通り。

Michael Lndau : Guiter,Bass
David Foster  : Keyboards,Mini Moog Bass
Michael Baird : Drums
Background Vocal:Amii Ozaki,Yuzo Watanabe

<ジャケット・歌詞カード>

 レコーディングで疲れきった亜美さんが、ストレス解消のため羽毛布団をムチャクチャに引き裂いてしまいました。そんな写 真…ってのはウソですが、まぁそんなもんです(^_^; HOT BABYと同様で、中袋にも写真があります。これも、羽毛に埋もれてますが、撮影終わっ てからの掃除が大変だったでしょうねぇ。

<各曲解説>

「Deep」

 シングルバージョンとは、かなりアレンジが違います。かなりロックぽいというか、ハードなアレンジです。その後のステー ジでは、こちらを元にした感じで演奏されてると思います。シンセベースがうねってますが、デビッドフォスターはこういうのがやりたかったのか?

「グラスのルージュ」

 これもファンの多い名曲。オクターブのギターもかっこいいですが、12月になるとついつい聞きなくなる曲です。

「Foggy Night」

 これはライブで盛り上がる曲。ClubAmiiバンドでの演奏に、やりたい曲として私が最初に提案したのはこれ。ギター のリフが中心の曲とかって、亜美さんの曲にはあんまりないので、これはバンドではやりやすいです。これをコピーした人はかなり多いのではないでしょうか?

「銀幕の恋人」

 金井夕子への提供曲だそうですが、そちらは聞いたことありません。結構ドラマチックな曲ですが、デビュー10周年記念ラ イブの「御集居」では、これがオープニングだったのでびっくり。

「純情」

 これもファンの多い曲。ライブでも演奏されることが多く、亜美さんもお気に入りのようです。ライブでは、ピョンピョンと 跳ねるように踊りながら歌う姿がとっても可愛いのですが、ライブビデオには入ってません。

「Flash Back」

 テーマはデジャ・ヴですが、この曲を初めて聞いたときは「で〜じょ〜ぶ」と聞こえて、「なにが大丈夫なんだろう? 亜美 さんはいつから江戸っ子になったんだろう?」と思ってました。バカですね。

「ハートの色は海の色」

 これは、昭和56年ごろに日石のCMで使われてました。ただし、歌詞が違って「だから もっともっと走り続けて そして 明日に夢を届けて」という物でした。当時、毎朝耳にしてたのに、私は亜美さんの曲だと気がつかなかったです。トホホ(^_^;

 雰囲気としては、「小舟のようにLovingYou」に通じるところがあります。この曲はシンセベースではないようです ね。

「Just Once Again」

 ピアノで静かに始まって、大ロック大会になる名曲。「天国への階段」をピアノでやるとこんな感じか? 恋人が死んでし まったという内容なのですが、亜美さんの曲で同様のテーマの曲をあげてみましょう。即3曲言える人は上級者です。

「SWEET CHRISTMAS SONG」

 ポップスのクリスマスソングとしては、かなり上質の部類に入るのではないでしょうか? アナログLPで聞いてたときは、 この曲を聞くことも楽しみの一つだったので、CDに収録されてないことについては本当に不満。

 全編を通して聞くと、亜美さんのボーカルがストレートというかダイレクトに届いてきます。これは曲調によるものか、それ ともミックスの技なのかはわかりませんが、みなさんどう思います?

 
 CDは長年入手困難でしたが2013年10月にボーナストラック付で再発されました。「Deep」のシングルヴァージョン、そのB面も収録されています。

<2001年10月記+2013年11月追記>
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☆Shot


<どんなアルバムか>

 デビッドフォスターと組んだ2作から、また亜美さんのアレンジに戻り、ミュージシャンもほぼいつもの顔ぶれでの録音。当 時のファンからすると、一種「おかえりなさい」という雰囲気でもあったアルバム。カルピスのCM曲であった「My Song For You」が先行シングルで、「I'm a Lady Tiger」がアルバムと同時のシングル曲。アナログ盤でいうと、A面は1曲目以外が岩崎良美への提供曲が2曲、高橋真梨子への提供曲が2曲。特に高橋真 梨子への提供曲は、どちらも高橋真梨子にとってもステージの重要なレパートリーであった曲ということで、興味深い内容となっています。POINTSシリー ズ以外で、他のアーティストへの提供曲をチェックするには、このアルバムは外せません。また、「It's Easy If You Try」は亜美さんとしては、初めての英語詞。

<ジャ ケット・歌詞カード>

 亜美さんがピストルを発射している写真で、ドキッとしてしまいます。ただし、個人的にはあんまり好きなジャケットではあ りません。アナログ盤では、中袋の亜美さんの写真もカラーですが、CDでは同じ写真が白黒。これを考えるとアナログ盤も買いかな? もちろん今では中古で しか入手できませんが。

<各 曲解説>

「I'm a Lady Tiger」

 この曲がシングルで発売されてたわけですが、当時ラジオなんかで紹介されたときは大変だったでしょうね。「では、まずこ の曲をどうぞ!」なんて言って、「あれ、音が無いぞ」と思ったら、「グゥワァ〜オ!」ですから(^_^; いろいろ深い意味のある歌詞なのでしょうが、この時期「DEEP」とかもあって、当時純情な青年だった私には難しすぎました…。でも、曲はかっこいいで す。

「ごめんねDarling」

 ごぞんじ岩崎良美への提供曲。良美さんの曲でも結構ヒットしましたよね? あちらののバージョンでは、「やたらと “Darling”を連呼する曲だなぁ」と思ったものですが、亜美さんバージョンではサビの部分はサックスで演奏されていますので、そういう印象は無いで す。気になる人は聞き比べてみましょう。ちなみに、あちらは鈴木茂氏のアレンジです。亜美さんバージョンでは、自分のソロアルバムと勘違いしてる後藤次利 のチョッパーも聞き物です。

「漂流者へ」

 高橋真梨子のステージではお馴染みですが、関係者によると「亜美ちゃんは可愛く歌う」という事だそうです。ちなみに、私 は高橋真梨子のスタジオ録音盤は聞いてないので、真剣に聞き比べをしたことはありません。この曲では、亜美さんが非常に繊細なボーカルを聞かせてます。特 に始めと終わりが。ただし、これをドライブ中に聞く場合は、聞こえにくいのが難点か?

「WHO ?」

 これは、岩崎良美への提供曲。「あ〜燃えるような恋をしたい」ってのは、相原コージの“コージ苑”でしたが、これは女性 側からのそういう訴え。ある種「シャイネスボーイ」にも通じます。自分の彼女がこういう事を考えているかと思うと、私のような小心者は非常にコアイです。 (なんちゃって)

「Stop My Love」

 高橋真梨子への提供曲で、彼女のステージでは重要なレパートリーであるとか。ただし、かなり長い曲なのでラジオで耳にす ることはほとんどありません。ドラマチックな曲で、ダイナミックレンジが凄く大きいから、「あれ、聞こえないな」と思って、ボリュームを思いっきり上げる と、途中からびっくりして腰を抜かす可能性も。

「It's Easy If You Try」

 亜美さんとしては初の英語詞で、作詞もご本人です。前ニ作ですっかりインターナショナルな人になってしまったか? ただ し、私は日本語は得意ですが英語は苦手なので、歌詞の内容の解説はパス。

「My Song For You」

 当時はTVのCMで、「カルピスフォ〜ユ〜」としてお馴染みでしたが、今ではすっかり亜美さんの重要なレパートリーとな りました。10周年記念ライブ「御集居」のMCによると、「いろいろあって、心身ともにボロボロになってたときに、この曲が出来たことによって自分自身ま た歌うことに意欲が出た」とかいう話をしてました。(表現は正しくないかもしれまんが、意味はそんな感じです。)

「Morning Walker」

 以前、健康診断で「高脂血症」と言われたことがあります。その時は、特に中性脂肪が高かったのですが、下げる方法は運動 と正しい食生活。幸い早起きは苦にしないほうなので、週に3日ほどは早朝ウォーキングを実施しました。結果的に、3ヶ月後には中性脂肪の値は半分になり、 運動の効果が実証されました。そういう、「健康の為に毎朝歩いている」とかいう人の曲ではありません。横溝正史の金田一耕助シリーズには「夜歩く」という 小説がありましたが、それとも関係ありません。…ってそんな解説じゃだめですか?

 結構シチュエーションが難しい、大人の恋人同士の曲。まぁ簡単に言うと、朝帰りの人とかそんなところです。曲の最後に ちょっとびっくりさせられます。ちなみに、この曲では亜美さんがマリンバを演奏していて、そのフレーズが印象的な曲です。

「手をあげろ!」

 前の曲からガラッと雰囲気が変わって、「いつもの亜美さん」という感じになります。これはタイトルとはイメージが違っ て、「可愛い系」の曲です。私なんかこういう風に可愛く「手をあげろ!」と言われたら、いつでも手をあげますが…。

「After The Show」

 アルバムの最後を飾るのにふさわしいドラマチックな曲。ハープが印象的。10周年記念ライブの「御集居」で、生で聞いた と記憶してます。その時は、「はぁ〜こういう曲もライブでやるんだぁ〜」という感じでした。歌詞の方は歌詞の方で、ステージで歌う人が主人公の曲ですが、 亜美さんが自分の事を歌ってるのかどうかはわかりません。そのへんは、聞き手の受け取り方次第ですね。

 CDは長年入手困難でしたが2013年10月にボーナストラック付で再発されました。

<2001年6月記+2013年11月追記>
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☆MIRACLE

<ど んなアルバムか?>

 同じ時期に「イノセント〜箱〜」という不思議な小説を出版し、その主人公が「舞夢」という女の子です。その小説の中に も、このアルバムの楽曲の雰囲気が存分にちりばめられておりまして(逆かな?小説が先か?)、アルバム全体としても不思議な雰囲気の仕上がりになっていま す。ただし、私の場合はこの小説を読んだのは、アルバムを初めて聞いてから約19年後。両方あわせて味わうと…、う〜むわかったような、わからないよう な、ということで、別にセットで考えなくともよいでしょう。ちなみに、今ではこの小説は古本でしか手に入りません。サウンド面から行くと、全体的に「モ ワッ」とした感じの音のように思います。

<ジャ ケット・歌詞カード>

 SF映画のヒロインのようなファッションの亜美さんが、テレビに向って指から光線を発射し…。という感じで、文字で表現 しづらいジャケットの最たるものです。裏側は、それがイラストになってて、テレビがあって…って余計わかりにくいですね。CDでは、歌詞カードにモノクロ の写真が1枚あります。こちらはとんでもないファッションではありません。今とはかなり印象が違いますが。

アルバム参加ミュージシャンは以下の通り。

Guiter      : 鈴木茂、堀信泰
Bass        : 後藤次利、岡沢茂、
Keyboards : 佐藤準、佐藤博、小林信吾
Synthe     : 尾崎亜美、小林信吾
Drums      : 林立夫、山木秀夫、青山純
Percussion: 浜口茂外也
Trombone : 新井英治
Strings     : 多グループ
Vocal(7)   : 岡沢章

<各 曲解説>

「MIRACLE」

 凄いアレンジで、亜美さんによると「ミュージカルのオープニングのようなものを意識した」そうですが、ラジオでこれを聞 いた某DJ氏は、「最後にみんなが立ち上がって『ブラボー!』っていうような感じの曲ですね。」という感想。とにかく、いったい何が始まるのだろう?とい う曲です。考えてみれば、こういう曲は他のアルバムにはないですね。また、ベストアルバムにこれだけ入れても「何だ?」という感じになるでしょう。

「舞夢」

 すごく可愛い曲で、CM曲にもなりました。CMネットワークにも収録されてます。可愛いボーカルも聞けます。演奏は、全 部亜美さんが一人でやったのでは?という声もあります。このへんはわかりませんが。なんというか「母性」を感じるような曲であります。

「シャワールーム トリック」

 これもシチュエーションがわかりにくいですが、シャワー室で電話なんかしたら、電話機が水に濡れて壊れてしまうのでは? と思ってしまいます。それでなくても、電化製品は湿気には弱くて、私が学生時代にバイト先からもらってきたテレビは、湿度の高い環境に長年置かれていたた め、スイッチを入れてから画面がつくまで数分かかりました。なおかつ、私はこの曲が発売された当時、風呂無しの下宿にいたので、銭湯通いの生活で、シャ ワー室にそもそも無縁だったから、よくわからないです。(って、関係ないことばっかり) いずれにしても、この曲に出てくるような事を真似したら、お母様 にしかられます。

「Tender Light」

 「愛に恋」のB面に収録されていた曲が、英語詞となって収録されました。アレンジは同じです。私はどちらかというと日本 語詞の方が好きです。亜美さんの曲では、日本語詞と英語詞の両方がある曲がいくつかありますが、英語の方がいいと思う曲は、“私は”ありません。みなさん はいかがでしょう?

「Thrill In The Night〜天使のように〜」

 タイトルの英語の部分と日本語の部分のアンバランスがすべてを物語っている曲。始まりも終わりもドラムの音で、サウンド 的にも印象的な曲。間奏のギターの音は結構気持ち悪いです。それを狙っているのでしょうが。亜美さんの書いた小説「イノセント〜箱〜」には、この曲のエッ センスがいっぱい出てきます。

「愛に恋 Love Is Gonna Get You」

 亜美さんの「真っ赤なターボに会いに来い!」というセリフでおなじみの、オートラマのCMに使用されていました。愛と恋 との狭間で駆け引きを楽しむ女性心理が垣間見られますが、僕ちゃんにはむずかしくてわからない(^_^; ちなみに「愛と恋はどうちがうか?」という点について、「愛は"する"けど、恋はしない」と言ってたのは、天才秀才バカだったかな? ま、いいですけど。 (この点突っ込まないように。)

「Bad Boy, Bad Girl」

 デュエット曲ですが、一緒に歌ってるのはベーシストの岡沢章氏。このアルバムでは、ベースをプレイせずにボーカルだけで 参加してます。彼は「プレイヤーズ」のベーシストで、「タモリの今夜は最高」でおなじみでしたが、あの番組でもボーカルを披露してた事がありました。つの だ☆ひろ氏を彷彿とさせるボーカルです。ちなみに、ボーカルだけでなくセリフも聞けます。

「You Can Climb The Moutain In N.Y.」

 猛スピードで駆け上がるようなピアノの音で始まり、すぐにアメリカンロックバリバリのサウンドに。ドラムといい、ギター といい、シンセといい、すごくかっこいい曲。ただし、歌詞の内容はまったくわかりません。こればっかりは聞いてもらわないと説明のしようがないという話 も…。

「小舟のようにLoving You」

 渡部まさみさんという歌手に提供した曲ですが、ファンにとっては完全に亜美さんの曲。ちなみに、アレンジはほとんど同じ 感じです。「ハートの色は海の色」にも通じるところがある、女の子のひたむきな思いを綴った名曲。ライブでも重要な位置を占める事が多い曲です。ラピズラ ズリにも収録されてますが、もちろん別バージョン。多分、このアルバムのバージョンの方がファンが多いかとは思いますが。

 なお、デビュー10周年記念コンサートの「御集居」では、この曲がアンコールのラストでした(大阪公演ですが、東京は知 りません。) なりやまない拍手の中、亜美さんが一人で出てきて、ピアノの傍らに立ちポロリと鳴らして音を取ってから、アカペラで歌ってくれたのですが、 いつしか会場全体の合唱になって、それはそれは感動的でした。どなたか覚えている方がいればメール下さい。

「舞夢の魔法使い」
 バラエティ豊かなアルバムの中で、最後にホッとさせられる曲。割と短いので「あれ? もう終わり?」と思ったら、ちゃんと仕掛けがあって2曲目の「舞 夢」の一部分も繋がって出てくるのでした。なんだか、楽しくて優しい気分にさせられます。

 実は、LPで聞いてた頃はあまり好きなアルバムじゃなかったのですが、CDになってからは結構好きになりました。多分私 が大人になったせいでしょう。というか、実はうちのレコードプレイヤーがぼろかったのか? ま、そんなこんなも含めて、是非アルバム全体を通して聞いて欲 しいという作品です。ベストアルバムに収録されてる曲は少ないかも…。

 CDは長年入手困難でしたが2013年10月にボーナストラック付で再発されました。「Tender Light」の日本語ヴァージョン収録です。

<2004年3月記+2013年11月追記>

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