バージョン違いについての研究

Last Update:2005/9/4

 
 ここでは、複数のバージョンが存在する曲について研究してみます。亜美さんの曲でも複数のバージョンが存在する曲は多いですし、例えば「蒼夜曲〜セレナーデ〜」などは3種類のバージョンが存在します。その研究にあたって、まずその分類してをしてみましょう。

 複数のバージョンが存在する理由として、大きく次の4つに分けられます。

A.シングルバージョンと、アルバムバージョンが違うもの(シングルB面含む)
B.バラード集「ラピズラズリ」でセルフカバーされたもの。
C.アカペラ集「Special」で録音されたもの。(もちろんアカペラ)
D.単に2回レコーディングされたもの。
E.ピアノ弾き語り集「Pia−Noir」に収録されたもの。

 上記の分類でBとCについては、それぞれのアルバム解説(製作中)の項で語るとして、ここでは主にAとDについて取り上げてみます。

まず、Aに該当するものとしては

・旅
・偶然
・ストップモーション
・ジェシー
・蒼夜曲(セレナーデ)
・Deep
・My Song For You
・Tender Light
・月の浜辺
・Endress Dream
・VOICE
・奇蹟
・愛の構造
・Lead The Way To Love

などがあります。つまり、これら以外のシングル曲は、それぞれ収録されているアルバムバージョンと同じという事です。(多分) しかし、例えば「嵐をおこして」などは私自身シングル盤を持っていないので、わかりません。どなたか、情報をいただけるとありがたいのですが。ついでに、シングル盤も譲っていただけると、さらにありがたいのですが。

また、Dに該当するものとしては、
・春の予感
・風のライオン
などがあります。あくまでも、思いつく限りですが。

 では、その各々について解説していきましょう。解説曲は順次追加していきます。また、私がシングルバージョンを持っていない曲もあります。それについてはさすがに書けません。情報求む!

◇「旅」

 これは、今となってはほとんどアルバムバージョンしか耳にしませんが、シングルバージョンも存在します。当時のバンドのメンバーで録音したとの事ですが、演奏が別物でドラムの感じも違うし、間奏は「アルバム=サックスソロ」に対して「シングル=ギターソロ」です。ちなみに、東芝EMIからはベストアルバムのCDが何枚か出てますが、知ってる限りではすべてアルバムバージョンで収録されてます。なお、どちらもアレンジは松任谷氏なので、クレジットで見分けるのは無理です。

◇「偶然」

 こちらは旅のカップリングですが、違いが顕著なのはこちらの方というか、基本的なアレンジはほぼ同じであるものの、演奏が違う上に実は歌詞が一部違います。私は希少価値からシングルを中古で入手したのですが、「どうせ同じだろう」と思いこんでいて、聞いたのは購入してから1年以上たってから。「なぜ歌詞が変わったか?」という事については、もちろん知りません。これも「旅」と同様、今となってはアルバムバージョンしか聞けません。アルバムに収録される際に歌詞まで変わったことを考えると、今後のベストアルバムにも収録される事はないでしょう。アナログシングルを持ってる人は、絶対手放してはいけません。将来一財産築けるかも…。ちなみに、これも両バージョンともアレンジは松任谷氏なので、クレジットで見分けることはできません。昔、アナログの2枚組ベストとか出てたのですが、それがどっちのバージョンだったかとかは、さすがにわかりません。

◇「ストップモーション」

 これがアルバムバージョンとシングルバージョンが違うと気づいた人は上級者です。気づいていない人は、お手元のシングル盤を聞いてみて下さい。ちなみに、私はアルバムバージョンを死ぬほど聞いてからシングルバージョンを聞いたので、一発で違いがわかりました。演奏はたぶん同じです。ボーカルも、おそらくそのままでしょう。ということで、一番大きい音の違いは「エコーのかけ方」でした。ベストアルバム収録の物は、アルバムバージョンです。演奏が同じなので、アレンジはどちらも亜美さんですから、歌詞カードのクレジットでは見分けられません。

◇「ジェシー」

 これも演奏は同じかもしれません。しかし、ボーカルは明らかに歌い直してます。聞く人によっては「回転間違えたかと思ったほど声が若い」と驚きます。慣れた人にとっては、歌い出しの声だけで違いがわかります。歌詞も1文字違うかな(^^; が、一番違いのわかりやすいのはエンディングのシャウトでしょう。とにかく、聞けばわかります。これも、ベストアルバムはすべてアルバムバージョンです。今後、ベストアルバムに突然シングルバージョンが収録されたとしても、当然クレジットでは見分けられません。

◇「蒼夜曲(セレナーデ)」

 これは、そもそもアレンジャーが違います。おまけに曲そのものの人気が高いので、物議を醸すという…。もともと、シングルで発売されたものが、アルバム「HOT BABY」に収録された際には、ガラっと曲調が変わって、聞いた人はみんな驚いたものでした。なお、その後「ラピズラズリ」にも収録され、さらにピアノ弾き語り集「Pia−Noir」にも収録されたので、合計4通りのバージョンがあります。クレジットでの見分け方はアレンジャーの違いですが、このHPにメールを下さる方の中では、元のシングルバージョンが最も人気があります。一部のベストアルバムには収録されましたが、今入手できるものにはありません。それが今度は邦楽オムニバスCD「名曲発掘!ジュエル・バラッズ」というCDに収録されるので、いい時代になったものです。ちなみに、それぞれのアレンジャーは、シングルバージョンとピアノ弾き語りバージョン=尾崎亜美、HOT BABY=デイビッドフォスター、ラピズラズリ=今剛です。

◇「Deep」

 これも、デイビッドフォスターのアレンジによってがらっと変わった曲でした。シングルは割と軽い感じですが、アルバムは強烈なディストーションギターとシンセベースの音に圧倒されます。亜美さんによると、この曲は「メロディーはいやらしくならないように」というのを心がけたそうですが、その意味ではアルバムバージョンの方がその目的を達してるかもしれません。サウンドがハードなので、あんまり歌詞の意味を考えませんから。今となっては、シングルバージョンを耳にする機会は少ないです。84年に発売された「ベストセレクション」というCDには収録されてましたが、その後のベストアルバムには入ってないです。なお、このシングルはB面もアルバム未収録なので、中古で見かけたらすぐに買いましょう。

◇My Song For You」

 おなじみ、カルピスのCMソングでした。基本的なアレンジは同じで、アルバム収録時に新たに録音しなおしたものです。わからない人はわからないでしょうが、それぞれの楽器の音やバランス、歌い方などがちょっとずつ違います。ちなみに、ベストアルバムの「CMネットワーク」に収録されてるのがシングルバージョンです。私は別にどちらでもいいです。
 なお、その後ピアノ弾き語り集「Pia−Noir」にも収録されました。

◇「Tender Light」

 シングル「愛に恋」のB面。アルバム「Miracle」に収録されてるのは、これの英語バージョン。先に発売されたのは、この日本語バージョンの方。当然ながら、どういうシチュエーションのどういう歌詞かというのは日本語の方がよくわかります。(あ、日本人の場合) 当時、FMの「ニューサウンドスペシャル」に亜美さんが出演した際には、この曲(英語バージョン)をかけて、曲の内容についてはサビの日本語詞にて説明してました。演奏はまったく同じだと思います。なお、ラピズラズリでの録音はアレンジそのものが全然違います。

◇「月の浜辺」

 これは、シングル「恋するマリンパーク」のB面。発売はアルバムバージョン(POINTS)が先。演奏が違いますが、ベースのリズムトラックは同じで打ち込みのホーンアレンジを追加して、一部ミックスも変えた物だと思います。ボーカルは同じなのかなぁ? いずれにしても、そんなに違いはありません。一度聞いてわかれば上級者です。

◇「VOICE」

 これは、NHK人形劇?のテーマ曲で、伴奏付きのバージョン。アルバム「TOPAZ」の1曲目に収録されてますが、そっちはアカペラバージョンです。シングルバージョンは、割とさらっとしたアレンジで、個人的にはアカペラバージョンの方がパンチが効いてて好きです。このシングルバージョンは、オレンジの帯でカラオケ付き2枚組のベストアルバムの最後に収録されてますので、比較的入手は容易です。アルバムバージョンしか聞いたことがない人も多いでしょうから、是非聞き比べをしてみましょう。

◇ラピズラズリとSpecialの部

 せっかくですので、ラピズラズリとスペシャル収録曲についてもちょっとだけふれておきましょう。まず、ラピズラズリはバラード集で、全10曲中9曲がセルフカバー。それぞれのオリジナルバージョン収録のアルバムは、

1.Tender Light       「MIRACLE」
2.夏の幻影                    「POINTS−2」
3.漂流者へ                    「Shot」
4.小舟のようにLoving You   「MIRACLE」
5.身体に残るワイン            「HOT BABY」
6.オリビアを聴きながら        「メリディアン メロン」
7.Judy                       「Plastic Garden」
8.遅すぎたメタモルフォーゼ   「10番目のミュー」
9.蒼夜曲(セレナーデ)        「HOT BABY」

です。このラピズラズリバージョンでのアレンジャーは、
1,2,6,9が今剛、3,4,5,7,8が佐藤準です。それぞれ、オリジナルバージョンとはアレンジャーが違うので、これらの曲がベストアルバムに収録されている場合は、歌詞カードが見られればクレジットでどちらのバージョンであるかが判断できます。ちなみに、「オリビアを聴きながら」に関しては、オリジナルバージョンは最後にサビの繰り返しがありますが、ラピズラズリバージョンにはありません。キッチリ2コーラスだけで終わります。したがって、歌詞を見ただけでも判断できます。

 一方、「Special」というアルバムはアカペラ集です。ここでセルフカバーされてるのは、「FOR YOU」と「初恋の通り雨」。なお、「真冬の流れ星」という曲も収録されていて、これはCD「Arrows In My Eyes」にも収録されてますが、この「Special」のアカペラバージョンの方が先に発表されました。このへんがややこしいのですけど…。なお、前述の2曲についてはそれぞれ、
・「FOR YOU −ENGLISH Version−」
・「初恋の通り雨 −REDONDO Version−」
という記載になってます。

◇分類Dの部

「春の予感」

 Dに分類される「春の予感」については、オリジナルバージョンが「ストップモーション」であり、次にレコーディングされたのが「POINTS」です。これは、そもそもレコード会社が違いまして、オリジナルバージョンが東芝EMIで、「POINTS」バージョンがポニーキャニオンです。また、アレンジャーも違いまして、オリジナルバージョンは亜美さんですが、「POINTS」バージョンは、「小林信吾・堀信泰」となっています。

 なお、この曲はご存知の通り南沙織への提供曲ですが、そのアレンジも亜美さんでして、ストップモーションのバージョンとは大体同じです。

「風のライオン」

 これもDに分類されます。オリジナルバージョンは、アルバム「Natural Agency」に収録されてますが、25周年記念アルバムの「Amii-Phonic」に福山雅治とのデュエットで再録音されました。もともとファンの間では人気の高い曲でしたが、福山氏とのデュエットにより有線放送でもちらほらと耳にするようになり、数年たてばこちらの方が有名になるかもしれません。どちらにしても名曲です。

 以上。他の曲については作成中及び研究中です。今しばらくお待ち下さい。


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