♪ アルバム研究その1 ♪


<はじめに>




 こちらは、私の独断と主観に満ちた内容ですので、その点はご了承下さい。既にアルバムをお持ちの方は、「そ〜だそ〜だ」とか「そりゃぁ〜違うやろぉ〜」とか言いながら読んでいただければ幸いです。


 なお、私は関係者ではありませんので、亜美さんに関しては作品を通してしか知りません。レコード会社移籍や、事務所設立とかについて、その時期は知っておりますがもちろん詳しい事情はわかりません。したがって、その辺りには触れておりませんのであしからず。あくまでも、作品やサウンドから読み取れる事についてあ〜だ、こ〜だ言うのが趣旨のページです。

 また、当時の雑誌記事でのインタビューなども参考にしておりますが、あくまでも記事が亜美さんの語った事を正確に記しているという前提ですのでそのあたりもご理解下さい。目指すは「全アルバム、全曲解説」ですが、取りあえずは出来あがったものから順次アップして行きます。

 
シェイディ マインドドロップス ストップモーション プリズミイ LITTLE FANTASY
MERIDIAN MELON HOT BABY Air Kiss Shot MIRACLE
POINTS PLASTIC GARDEN 10番目のミュー POINTS−2 Kids
時間地図 lapis lazuli Dinner's Ready Natural Agency POINTS−3
月の魔法 TOPAZ Wi2SH(ウィッシュ) SPECIAL Arrows In My Eyes
THE DELTA-WING Amii-Phonic Pianoir おもてなし。 三重マル


☆シェイディ

ファーストアルバム「シェイディ」のオビの言葉は以下の通り。

 第三世代から飛び出した驚異の「亜美」!!
 尾崎亜美の遂に発表するデビューアルバム!!
 “亜美”……。
 全てを超えた豊かな音楽性 
 ヴォーカルの魅力は輝き 
 想いもよらぬ感動のふるえに
 酔いしれて言葉も出ない。


☆MIND DROPS
マインドドロップス MINDDROPS MindDrops マインド・ドロップス

<どんなアルバムか>

 セカンドアルバムです。これを聞くと「どうやら亜美さんは雨が好きらしい」という事と、「もしかして、当時ボサノバに凝ってたのかも?」と思います。「マイピュアレディ」もボサノバでしたし。アレンジは、松任谷正隆氏によりますが、ファーストアルバムよりは、全体的にさらっとしてる感じで、熱唱型の曲はありません。私個人としては、結構好きな曲が多くて、聞いた回数でいくとかなり上位に入るアルバムです。なお、クレジットによると、アルバムタイトルはユーミンのアイディアのようです。

<ジャケット・歌詞カード>

 雨の中を亜美さんが飛んでおります。ファーストアルバムのドアップとは、対極を行く写真です。個人的にはあまり好きなジャケットではありません。

 歌詞カードは、アナログLPはジャケットサイズでモノクロ1枚です。CDでは、同じデザインのものが4つ折りで入ってます。参加ミュージシャンやスタッフは、ジャケット裏側に記載。

<LP盤オビの文字>

 すべてを超えた全く新しい世界にただ唖然とするばかりだ。尾崎亜美セカンドアルバム。

 
<各曲解説>

「太陽のひとりごと」

 「この曲をデュエットにしよう」というのは、亜美さんの発案なのでしょうか?それとも松任谷氏か? このアルバムには男性歌手とのデュエットが2曲入ってますが、この後のデュエット曲というと、「ミラクル」収録の「Bod Boy,Bad Girl」ですから、貴重な曲と言えます。

「涙の雨」

 サラっとしてますが、結構長い曲。

「Bye Bye Mr.Randum」

 ファーストアルバムとの違いは、こういう曲が収録されている事でしょうか? ある意味で新境地を開いたともいえるかもしれません。

「うわさの男」

 南佳孝とのデュエット曲。どういう経緯で彼とデュエットするようになったかは知りません。ボーカルといい、アレンジといい、A面で一番目立つ曲と言えるでしょう。

「夢子とかげろう」

 軽いボーカルで、不思議な世界に引き込まれる曲ですが、モワっとした雰囲気がなんとも言えません。

「ブーミングクラッカー」

 この曲も、このアルバムを象徴する曲。ステージでもアンコールなどでよく使われました。ある時のライブでは、「歌詞を忘れた」と言い、最初から「ラララ〜」で歌ってたのを聞いた事があります。間奏のサックスとのユニゾンには、聞いてて思わずにんまりさせられてしまいます。

「旅」

 シングルでも発売された曲。ボサノバ風ですが、イントロと曲の中身が全然雰囲気が違って面白いです。

「偶然」

 「偶然に昔の恋人と出会った」という、ほんの短い時間を切りとって曲にしているのに、その背景のドラマをあれこれ思い描いてしまう曲です。こういう表現力は、並みの歌唱力ではむりでしょう。

「初恋の通り雨」

 シングルでも発売されてましたが、私はこのアルバムで知りました。ファンの間でも人気の高い曲で、私も大好きです。これも、ほんの短い時間を歌ったラブソングですが、歌詞とアレンジとボーカルがマッチしていて、頭の中に歌の中の世界が浮かんでくるようです。中学生とか高校生くらいの時にこの曲を聞いてたら、もろにはまってたでしょう。そういう年代の人に聞かせたい曲です。「マイピュアレディ」が40万枚売れるのなら、この曲が100万枚売れてもおかしくないのですが、やはりCMの力は大きい!

「さよならを言うために」

 初めて聞いた時は「なんちゅう暗い歌や…」と思ったのですが、今でも印象は変わってません。嫌いじゃないんですが、この曲でアルバムが終わるのが悲しいので、いつもまたA面にひっくり返してました。

 全般的に、ファーストアルバムとアレンジはそれほど違わないと思うのですが、曲調はよりポップというか、弾んでる感じがします。ファーストでは「歌唱力を聴かせる」という感じもあったのですが、これではトータルな作品として仕上がってると私は解釈してます。

<2000年7月記>


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☆ストップモーション


STOP MOTION Stop Motion ストップ モーション Stop Motion STOP MOTIONST
<どんなアルバムか>

 特筆すべきは、このアルバムからアレンジとプロデュースを担当し始めた事。アレンジも、10曲中ストリングス入りが7曲、ホーン入りが2曲で、新人アレンジャーとしては大活躍です。歌詞カードには、直筆の文字で「赤ちゃんを産んだような気分」、「感性のおもむくまま突っ走った」、「恥ずかしいようなうれしいようなとても複雑な気持ち」などと記されています。

 現在の亜美さんも魅力的だけれど、個人的にはこのアルバムを発表した当時の亜美さんに会ってみたいです。物凄いエネルギーを発散して輝いていたのではないでしょうか? 他に話題としては、ゲストに寺尾聡氏が2曲、オフコースの二人が1曲に参加してますが、寺尾氏はなんの仕事をしてるのやら?

 主な参加ミュージシャンは以下の通り。

Guiter       : 鈴木茂、松原正樹、TED.M.GIBSON
Bass          : 高水健司
Keyboards  : 佐藤博、佐藤準、尾崎亜美
Drums       : 林立夫
Percussion: 斉藤ノブ
Sax,Flute   : Jake H.Conception
Sax           : 渕野繁男
Harmonica : 松尾一彦
Chorus      : オフコース、寺尾聡

 また、亜美さんがプレイしている楽器は以下の通り。
Ac.Piano,Solina,Clavinette,Marimba,Glocken Spiel

<ジャケット・歌詞カード>

 浜辺でたたずむ姿が写ってますが、ジャケットと歌詞カードともに、光の加減で顔はよく見えません。ただ、この当時のヘアスタイルの亜美さんが歌ってる姿も見てみたいなと。今とかなり違うイメージなので。ジャケットの裏側は、赤い靴の写真ですが、これはどういう意味があるのでしょう??

  歌詞カードは、アナログLPはジャケットサイズでモノクロ4ページ。CDでは、同じデザインのものが4つ折りで入ってます。4ページ目には、亜美さんが自らの文字で、このアルバムにかける心意気(?)を綴っています。これは、ファンに限らず是非読んでもらいたいです。参加ミュージシャンは、各曲毎に歌詞の下に記載。 

<LP盤オビの文字>

 作詞・作曲に加えて自ら編曲までやってのけた尾崎亜美ファン待望の3rdアルバム!

 恥ずかしいようなうれしいようなとても複雑な気持ちです。
 でも心のスクリーンをあなたにお見せしたいのです。 亜美

<各曲解説>

「センセイション」

 アレンジャーデビュー作の記念すべき1曲目。波の音の中からフェードインしてくるサウンドは、シンプルな編成ながらPOPな曲調を感じさせるイントロ。ボーカルは軽く歌ってますが、声に艶が出てます。サックスもいい音してます。

「ジョーイの舟出」

 静かに始まるが、段々盛り上がる曲。ホーンセクションが効果的。この曲に寺尾氏がコーラスで参加してるらしいですが、私にはわかりません。果たして、この後ジョーイは無事に帰ってきたのでしょうか?

「嵐を起こして」

 この曲のボーカルが甘くて、凄く好きです。考えてみれば、このアルバムでも様々なボーカルを使い分けてます。ここまで甘く歌ってるのは珍しいかな? 恋人が大人ぶってるので、なんだか物足らない、困らせてみたいという曲ですが、恋人にこう言われたらあなたならど〜する?

「ドランクダウン」

 前の曲から比べると、一気に大人の女の世界になってしまいました。たちの悪い男と付き合ったという曲ですが、さてこの後どうなったのやら?

「来夢来人」

 小柳ルミ子も同じタイトルの曲を歌ってましたが、もちろんまったく違う曲です。(あっちの方が後かな?) こういうアレンジは、前作までアレンジを担当してた松任谷氏の影響でしょうか? 「来夢来人」とはお店の名前。前作の「偶然」にも通じる感じの曲です。この曲でも、寺尾氏がお仕事してます。ちなみに、私はコーヒーに砂糖は入れません。(って誰もそんなこと知りたくない?)

「ストップモーション」

 シングルでも発売されてましたが、ボーカルのエコーの具合がちょっと(かなり?)違います。初めて聞いた時は「お〜ぉぅ、かっこいい」と思いました。(ちなみに初めて聞いたのはアルバムバージョン) 10周年記念ライブでも聞いたのですが、振りがついてて楽しかったです。当時もああやって歌ってたのかな? しかし、サックスのジェイク氏はこのアルバムでは大活躍です。

「春の予感」

 南沙織に提供しヒットした曲のセルフカバー。南沙織のバージョンと、アレンジ的にはさほど違いはありません。間奏のギターがちょっと違うかな? のちに「POINTS」にも収録されましたが、そちらはアレンジが全然違います。私個人としては、このアルバムのアレンジの方が好きです。

「悪魔がささやく」

 実は、このアルバムで一番好きなのがこの曲。ホーンも入っててかっこいいですから。前作までは、こういう歌い方の曲は無かったのでは? この当時の亜美さんのイメージに一番合ってる曲かも。女性心理を研究するには絶好の曲? このエンディングのギターは、クルセイダースというかラリーカールトンを彷彿とさせます。

「もどかしい夢」

 南沙織の「春の予感」のB面だった曲。間奏のギターが甘い音で、フレーズも凄くかっこ良いのですが、これは松原正樹氏のプレイ。私は彼のサイン入りピックを持ってます。(もちろん直筆ではないですが。)

「ラストキッス」

 「ストップモーション」のB面だった曲。どうしてアルバムの最後はいつも悲しい曲なのでしょう? ま、オープニングには出来ない曲でしょうが。

<2000年8月記>
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☆プリズミイ

<どんなアルバムか>

 前作では初めてアレンジに挑戦し、まだ慎重な印象もあったのですが、この作品ではいよいよサウンド面でも亜美ワールド全開といったところです。

 サウンド面の特徴では、シンセサイザーの思いきった導入でしょう。それも、亜美さん自身が弾きまくってますので、キーボードプレイヤーとして大活躍しはじめた記念すべきアルバムでもあります。「ショッキングシャイン」の間奏、「気紛れ予報」のイントロ、「少年の日のメリーゴーラウンド」の間奏など、シンセがバリバリ聴けます。このときは、プロフェット5はまだ使ってなくて、オーバーハイムが主ですが、もしタイムマシンがあれば「シンセの前に座り、いろいろなサウンドを試している亜美さん」を見てみたいものです。きっと、あの大きな瞳を輝かせてイキイキしている事でしょう。

 アルバム参加ミュージシャンは以下の通り。

Guiter:鈴木茂、松原正樹
Bass:後藤次利、宮下恵輔
Key:坂本龍一、佐藤博、
Drum:林立夫
Others:
パーカッション−斎藤ノブ、Sax−Jake Conception
パーカッション&フルート−浜口茂外也、ハーモニカ−松尾一彦
コーラス−オフコース

 また、亜美さんがプレイしている楽器は以下の通り。
Ac.Piano,Hammond Organ,E.Piano,Cembalo,Polymoog,Oberheim 8 Voice,Marimba,Glocken Spiel

<ジャケット・歌詞カード>

 私はこのアルバムのどこが好きかといって、ジャケットが好きです。本人のキャラクターと、アルバムの中身とジャケットが素晴らしくマッチしてると思います。「白夜」の歌詞にある、「スターサファイア」の様な目というのは、このジャケットの亜美さんの瞳のイメージで捉えてます。

 歌詞カードは、アナログLPはジャケットサイズでモノクロ4ページ。CDも同じデザインのもの。参加ミュージシャンは、各曲毎に歌詞の下に記載。

<LP盤オビの文字>

 またきらめきを見つけました。光を心の糸に弾ませたら……亜美

<各曲解説>

「あなたはショッキングシャイン」

 シングルでも発売されてましたが、私はこのアルバムで初めて聴きました。その時の衝撃は忘れられません。いまでも大好きな曲です。凄いと思ったのは、この曲のクレジットには、キーボードプレイヤーとして亜美さんの名前しか無いこと! 間奏のシンセサイザーとか、エンディングのエレピとかは本当にかっこいいです。また、間奏のサックスは非常にきらびやかな音色を聴かせ、5〜6小節目のフレーズなんかは最高。ストリングスも入ってて、「これぞ70年代!」というサウンドですが、今聞いてもまったく色褪せていません。

 亜美さんがプレイしているのは、Ac.Piano、E.Piano、Polymoog、Oberheim 8 Voice

「気分を変えて」

 1曲目が勢いよく来たかと思えば、2曲目で軽くかわすあたり、懐の深さを感じさせます(?) パーカッションの浜口氏が、この曲ではすごく涼しげなフルートを吹いており、この曲のキーポイントとなっています。亜美さんは、結構けだるい感じのボーカルを聴かせております。夏の夜に、それこそ冷やしたジンでも飲みながら聞きたい曲ですが、内容は別れの曲なんですね。

 亜美さんはボーカルのみ。楽器は弾いてません。

「パーフェクトゲーム」

 これは可愛い系の曲。元は、金井夕子の1stアルバムに提供した作品で、私はそのアルバムを中古で買ったのですが、…まだ聞いてません。間奏のシンセサイザーが印象的。1曲目から3曲目まで、それぞれボーカルの感じが違います。一体いくつの声を持ってる人なのでしょう?

 亜美さんがプレイしているのは、Polymoog、Oberheim 8 Voiceのシンセのみ。
 

「気紛れ予報」

 私の友人の間では、「このイントロがいい」と人気があります。物凄いフレーズではないのですが、それで引き付けてしまう所がアレンジの妙! かっこいい系と可愛い系の中間を行く曲で、コーラスにはオフコースの二人が参加。「今日はなんとなく甘えてみたい」という女性心理を歌った曲で、亜美さんが歌うと可愛いのですが、実際にこういうシチュエーションに遭遇すると男はその対処に苦労するんですよね。(シミジミ)

 亜美さんがプレイしているのは、Ac.Piano、Oberheim 8 Voice、パーカッション

「テンダーレイン」

 これは、しっとり系。この曲を聞いて、何万人の女性ファンが泣いた事でしょう? ファンの間でもかなり人気の高い曲です。ファンでありながら、まだ聞いた事がないという人は今すぐ聞くべきです。

 イントロは、ローズの静かな音で始まったかと思うと、いきなりストリングスが入ってきて、さらにチェンバロがからんで来ますが、このチェンバロの音色は雨だれのイメージでしょうか? エンディングでも亜美さんのチェンバロによる細かいフレーズが聞けますが、今の時代ならシーケンサーでやるフレーズかな?

 亜美さんがプレイしているのは、E.Piano、Cembalo、Glocken Spiel
 

「コズミックブルー」

 あまり話題に上る事はないでしょうが、これぞ尾崎亜美!という曲でもあります。簡単なようで、作りは楽しい曲。

 亜美さんがプレイしているのは、E.Pianoとマリンバ。

「少年の日のメリーゴーランド」

 なんだか悲しくなっちゃう曲です。「熱にうなされ…」というあたりは、「病気のスーパーマーケットだった」という、亜美さん自身の幼年期の体験を元にしてるのでしょうか? 間奏の重厚なシンセサイザーの音が、何か深い意味を想像させます。

 亜美さんがプレイしているのは、Ac.Piano、Polymoog、Oberheim 8 Voice

「白夜」

 曲を聞きながら「ハテ?この曲のタイトルはなんだったっけ?」と思う人も多いでしょう。このアルバムで、曲を聞いてタイトルが思い浮かばないのは、これと「コズミックブルー」だけ。この曲の歌い方が甘い感じで凄く好きなのですが、松原正樹さんのギターも素晴らしく甘い音でGood。短いフレーズで、これだけリスナーを引き付けるのはプロの技。ハープの音も効果的。

 亜美さんがプレイしているのは、E.Piano、Polymoog、Oberheim 8 Voice

「テンプテーション」

 「ジェシー」を発売した時に、一部の音楽評論家が「イメージチェンジか?」とか「いつかは通る道」とか騒いでたようですが、このアルバムでも既に大人の女を感じさせる曲はあったんですね。

 亜美さんはボーカルのみ。

「私は愛を歌わない」

 1980年の夏に、ラジオでライブを聞いた時は、アンコールのラストがこの曲でした。個人的には、ちょっと重過ぎてあまり好きではない曲ですが…。ちなみに、恋人が死んでしまった曲としては、「うわさの男」、「Just Once Again」などもあります。とはいえ、「うわさの男」は本当に死んでしまったのでしょうか?

 亜美さんがプレイしているのは、Hammond Organ、Polymoog 

<2000年7月記>

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☆Little Fantasy
リトルファンタジイ リトル ファンタジイ リトル・ファンタジイ LittleFantasy Little FntasyLittleFantasy

<どんなアルバムか>

 私が最初に買ったのは、このアルバム。まず、FMのラジオ番組で聴いたのが「リトルファンタジー」、「スローダンシング」、「心にメイクアップ」の3曲。「結構良さそう」と思ったのがキッカケ。デビューの時からその存在は知ってましたし、もちろん「マイ・ピュア・レディ」も知ってました。それで、このアルバムを聞いて、完全にはまりました。

 サウンド的に、この時から当時の最新鋭シンセ「プロフェット5」を使用し、よりカラフルな音作りとなっています。また、ボコーダーの使用も印象的。当時の女性アーティストで、自分でここまでやった人がいたでしょうか?

<ジャケット・歌詞カード>

 アルバムのイメージとは、合わない感じ。タイトルチューンから想像すると、SFファンタジー風のジャケットになりそうですが。ちなみに、ぱっと見には亜美さんに見えませんでした。表と裏では全然印象の違うジャケットです。私の好みでは、どちらかというと裏側の方が色っぽくてgoodです。

 歌詞カードは、アナログLPはジャケットサイズでモノクロ4ページ。CDも同じデザインの4ツ折。4ページ目に亜美さんからの一言あり。参加ミュージシャンは、各曲毎に歌詞の下に記載。

<LP盤オビの文字>

 眩しすぎる亜美のハレーショントリップ−気分は光。

<各曲の解説>

「FOR YOU」

 お得意の学園生活物。ストリングスのイントロと、出だしからの何ともいえない甘いボーカルに引き込まれてしまいます。アコースティックピアノも亜美さんご本人の演奏。初めて聞いても、なんだか親しみを感じてしまう曲です。この曲もそうですが、亜美さんの曲は、歌詞の中だけじゃなくて、なんとなくその背景にあるドラマを想像させるところが特徴でしょうか。 それだけに、時折難解な世界の曲が登場すると、とまどってしまうのは私だけ?

「Little Fantasy」

 これは不思議な曲。シンセがギュンギュン言うイントロから、いきなりリズム変わっての歌いだしで、意表をつかれます。ボコーダーも印象的。難解な歌詞ですが、「恋の行方より奇跡が起こる瞬間を知りたい」という所が、尾崎亜美の尾崎亜美たる所以。また、こういうアレンジを考えつくところが才能の表われか?

「Blue City」

 いきなりボコーダーの声で始まりますが、すぐにアコースティックな世界に移行する曲。空想の中の世界を歌ってます。女性アーティストの中では、ラブソングでない曲が多いという事も亜美さんの特徴でしょう。

「香港紙人形」

 1曲の中で、明らかに違う2パターン(厳密に言うと3パターンか?)のボーカルが堪能できる曲。この曲でチャイニーズンシンバルを担当した王子氏は、当時のバックバンド“ハイハイパパ”のドラマー。MMP(キャンディーズのバックバンド)にも在籍し、この後クリエイションにも参加。ドラマーというと肉体派のイメージですが、亜美さんより腕相撲が弱かったという噂。

「RainWaltz&Lovin' You」

 「尾崎亜美という人はどうやら雨が好きらしい」というのがわかる曲。資料によると、ハイファイセットに提供した曲らしいですが、私はこのLPでしか聞いた事りません。間奏でムーンリバーのメロディーも聞けますが、私はこの間奏で初めて「ムーンリバー」がどういう曲か知りました。

「ジェシー」

 LPで言えばB面の1曲目。先に発売されたシングルとは、ボーカルがちょっと違います。このシングルが発売された当時は、日刊スポーツの新譜紹介欄で「イメージチェンジか?」とか、「いつかは通らなければならない道」とかいう書き方をされてました。感じとしては、「アイドル女優が主演映画で初めて激しいラブシーンを演じるときの記事」のようでした。作品を振り返って見ると、たしかにこういう感じの曲は少ないかもしれませんが、ファーストアルバムに既に結構情熱的な曲がありましたよね?

「スローダンシング」

 かなりマッタリしたボーカルの曲なので、個人的にはあまり好きではない部類の曲です。ただ、アルバムの構成上、この曲があるから次の曲の爽やかさがより引き立ってますが、その辺を狙ったのかどうかは知る由もありません。

「少年の炎を消さないで」

 歌詞といい、曲といい、アレンジといい、歌い方といいすべてが好きな曲です。間奏のギターソロが終わって、ストリングスが入ってくるところなんかは、最高ですね。鈴木茂さんは、あんまり派手なソロはないですが、随所に光るものを見せてるのでさすがです。この曲は、ラブソングと言えるのでしょうか? 大きな意味ではそうなのでしょうが。

「心にメイクアップ」

 私は、どちらかというとサウンド面から入ったファンですので、この曲は大好きでした。ホーンセクションが入ってるもgoodですし。こういう“かっこいい系”の曲も亜美さんの特徴でしょう。是非ライブでも聴きたい曲です。

「午前五時の旋律」

 私のHPタイトルは、この曲からいただいてます。曲のはじめの音声は、実際のスタジオの音を録音したものか、やらせかどちらかというのも、もはや知るすべもありません。まぁ、どっちでもいいですが…。

<2000年6月記>
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